楽天が送料の一律無料の撤回を検討 Amazonができて楽天がダメな理由

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楽天が送料の一律無料化の撤回を検討

楽天 送料の一律無料化 撤回を検討

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200306/k10012316221000.html

楽天は楽天市場で3,980円以上を購入した場合に送料を無料にする方針を打ち出し、出店者に送料込みの料金体系にするよう求めましたが、一部の出店者がこれに反発、公正取引委員会に調査を要請しました。その後、公正取引委員会が独占禁止法に基づく緊急停止命令を東京地方裁判所に申し立てました。

楽天は公正取引委員会の緊急停止命令のあとも法令上の問題はないとしていましたが、一律送料無料を撤回し、対応できる店舗から始めることで検討を進める。
新型コロナウィルスの影響や、強行することでの評判の問題等を考慮した結果と考えられる。

なぜAmazonでは問題なくて楽天ではダメなのか

そもそもAmazonの送料無料と楽天の送料無料はまったくの別物

アマゾンはプライム会員であれば通常配送料無料、プライム会員でなくても2,000円以上の購入で送料無料となっている。
アマゾンは巨大な倉庫に自社で商品を仕入れて管理し、注文処理から配送まで行っている。出品者は手数料を支払うだけで商品の販売はアマゾンが代行してくれるのだ。それがフルフィルメント(FBA)というものだ。


Amazonの物流拠点(フルフィルメントセンター)に商品をお預けいただくだけで、商品の保管から注文処理、配送、返品に関するカスタマーサービスまで、Amazonが代行します。
https://services.amazon.co.jp/services/fulfillment-by-amazon.html

Amazonの場合、送料無料の負担をするのはアマゾン側なのだ。(その分手数料とってるんだけどね)

しかし楽天の場合、出店者に送料無料を求めていることからも分かるように、送料無料分の負担をするのは出店者になる。楽天は支援策なども検討しているというが、これが多くの出店者が受け入れられるようなものであったのなら、今回の反発から起こった公正取引委員会の緊急停止命令申し立てもなかったであろう。

楽天のやろうとしている送料無料施策は、Amazonで言うならアマゾンマーケットプレイスの出店者に送料無料を強要するようなものなのだ。アマゾンの場合FBAに誘導すれば良いのだからそんなことをすることはないと思うが。
ちなみにアマゾンマーケットプレイスはFBAとは違い自分で注文管理、発送を行うもの。最近では法外な送料でマスクを転売する輩がいたりと問題にもなったものだ。

かといって楽天に出品するメリットがないわけではない。商品管理を自分でしなければ行けない分、余計な手数料は支払わなくて済むという面もあるからだ。しかし何事も巨大に大量に行ってコスト下げる昨今ではAmazonのやり方が現代的であり、楽天は時代遅れと言えなくもない。楽天はネットの商店街という形ですしね。そこが良いところでもあるんですが。

楽天もAmazonと同じようなことはやろうとしている

楽天もAmazonのやり方はもちろん分かっているので、何年も前から楽天が物流を行おうとしたりと送料無料へとつながる施策は行ってきた。
楽天にも「楽天スーパーロジスティクス」というものがある。これはアマゾンのFBAと似たようなものなのだが

受注管理ソフトの導入が必要と出店者側に負担が生じるのだ。なんとも中途半端な感じが拭えない。負担を強いることで料金を安くできるというものなのかもしれないが。

楽天にもAmazonと同じようなものがあるなら、そちらで送料無料をやればよいのでは?

そう思うのは当然ですが、「楽天スーパーロジスティクス」を利用しているショップは楽天市場に比べて圧倒的に少ないのです。

楽天スーパーロジスティクス対象ショップ一覧

https://event.rakuten.co.jp/asuraku/rsl/campaign/shoplist/

楽天市場の全店が送料無料!と 楽天市場の一部のショップ、「楽天スーパーロジスティクス」 のお店が送料無料!ではインパクトに差がありすぎますね。当然楽天市場全店送料無料にしたいと思うでしょう。

楽天はまだ送料無料を諦めてはいない

楽天は公正取引委員会の緊急停止命令のあとも法令上の問題はないというスタンスでした。今回の撤回も対応できる店舗から始める方向で検討としており、完全撤回のような姿勢ではありません。
順次送料無料の店舗が増えていくのか、宣言通りに送料無料になるのか、Amazonと戦う日本の企業楽天の今後に期待。

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